きょうは、クリントン川の上流をつめて、標高差700mを登って、いよいよマッキノン峠(一番高いところが、1165m)を越える日です。
森の中を歩いているときには雨降っても、この峠越えだけは、晴れてほしい!!
けれど、朝からあつい曇に覆われています。前日より1時間早く、7時30分には小屋を出発しました。
3段に流れ下る滝を眺め、ミンタロ湖に立ち寄って、緑深い谷を徐々に高度を上げていきます。細い流れになったクリントン川にかけられた橋をわたると、いよいよ本格的な登りです。
ジグザグに切られた山道をゆっくりゆっくり。
やがて、森林限界を超えました。
峠に近づくにつれて、湿原?の草地が黄色に紅葉して風になびいていました。時々雨粒が落ちてきます。
景色は深いガスの中・・・・・。
日本のヒナウスユキソウなどは、ちゃんと茎があるけれど、これには直接花が咲いているように茎が短いですね。
真夏でも、30cmの積雪が珍しくないという厳しい気候、風が強い気候に、適応した姿なのでしょう。
やがて、峠に到着。峠のモニュメントの前で記念写真を撮って・・・
でも、景色は何も見えないし、風が強くて、とっても寒いのですよ・・。
Coreyが下から担ぎ上げてくれたたポットの温かいコーヒーがとってもおいしかったよ。ありがとう。
持って行ったダウンジャケット、フリースの手袋と帽子も着込み、先を急ぎました。
マッキノン峠小屋到着。ここで昼食。
ここのトイレから、今まで登ってきたクリントン谷が真正面にみえる、のだそうですが、努力は報われない。きょうはだめ。見えません。
峠越えは,ミルフォードトラックのハイライト。ほんとに見えなくて残念です。
昼食のあとは、今度は、登ってきた峠の反対側、アーサー渓谷のほうに降りていきます。
しかーし・・・降りるにつれて、雲が切れてきました。うれしい!! もっとはやく雲が切れてくれたら・・と思うのは贅沢というものです。。
強風に雲が吹き飛ばされて山が見えてきました。立ち止まって、雲が切れるのを待ちました。
あれは、雪? いいえ氷河。 キラキラ白く光って、とてもきれいです。
氷河が削り取った鋭い山があちこちにある・・・
こりゃ、槍ヶ岳がいっぱいだねぇ・・・・
はい、もう一息 膝を痛めないように、気をつけながら晴れてきた周りも眺めながら慎重に下っていきました。
再び深いコケとしだの森に入っていきます。山脈の東側に当たるアーサー谷は、年間7000mmも雨の降る地域なのだそうです。
小屋に近づくにつれて、シダの大きさもだんだん大きくなって背丈の高いシダの木?が林立。
荷物を置いて、ここから往復1時間40分ほどの距離にある滝を見に出かけました。
この、サザーランド滝は、高さ580mあって、世界で5番目の高さなのだそうです。
こうして写真で見ると、たいしたことがないように見えるけれど、とても全容をカメラに収めきれない高さです。迫力満点です。
Uさんやパパは、雨具を着て、滝の裏側を覗きに行きました。
Uさんが撮ってくれました。
小屋に帰ってくる頃は、またいい天気になりました。
確かに、今日は雲にさえぎられて景色を見ることは出来なかったけれど、7000mmも降るという年間雨量を考えれば、こんなに天気に恵まれることは奇跡に近いんじゃないかしら・・・・。
でも、Yoshiさんに言わせれば、雨が降ったほうが、断然いい、というのです。
切り立った断崖にいくすじもの滝がかかり、それはそれはすばらしい、とのこと・・・。なるほど・・。
この日も満天の星空で、南十字星をはっきりと眺めることが出来ました。