若い頃、バックハウスのベートーベンのピアノソナタを、LPレコードが擦り切れるまで聴いていたな。
バックハウスの手を通して流れてくるベートーベンの世界が聴くたびになにかしら心にもたらせてくれる・・。
ベートーベンのすばらしさを伝えてくれた、という意味で、バックハウスは、私にとって大切なピアニストなんです。
それから、あの、アルゲリッチ、アシュケナージのショパン。
小柄なアシュケナージの、ピアノに座ったとたんにとても大きく感じたすばらしい演奏はとても心に残っています。
ブーニン。初めての来日のとき、チケットの発売日に、一生懸命予約の電話を掛けまくり、結局入手できなかったんだっけ。
あの時、なんであんなにまでして、会場に行きたいと思ったんだろう・・。
私が所属しているコーラスグループに、専属のピアニストがいます。
今は、私たち団員にとって、ピアニストと言ったら彼女しか考えられません。
昨日の練習にも来てくれました。
男の子3人の肝っ玉母さんでもある彼女には、3番目ちゃんを背中にくくりつけて、あるいは懐に抱っこしたまま、ピアノを弾いてくれています。
ママから離れない坊やを抱っこしたままでも、鍵になる音を追いかけて、歌にあわせてくれるのです。
彼女の手から生まれてくる伴奏は、それこそ、とても豊かな音楽性に裏付けられたすばらしい演奏で、時には、歌い手の音程の自信のなさをしっかりとカバーしてくれます。
みんな、伴奏が入ると、とてもいい気持ちで歌うことが出来、こんなによく歌えるのは、自分たちの実力、といい意味での錯覚をさせてくれるのです。
市民音楽祭の折など、だんな様、3人の子供達も会場に駆けつけてくれて、舞台に立つ私たちの歌が、どれだけ彼女の伴奏ですばらしくなるのか、いつも見守って応援してくれているのが、とってもうれしい!